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温経湯
構成成分
呉茱萸(ごしゅゆ) 辛温 中を温め痛みを止め停水を去り手足を温め頭痛を治す
当帰(とうき) 甘温 婦人漏下子を絶つを主どる 手足を温め腹痛を治し胎を安んず
川窮(せんきゅう) 辛温 月経不順を調え下血を止め胎児を安んず、婦人血閉して子の無きを主どる
芍薬(しゃくやく) 苦平 血痺を除き邪気腹痛を主どる
人参(にんじん) 甘微寒 乾きを潤し五臓を補い精神を安んじ邪気を除く
桂枝(けいし) 辛温 内臓の働きを補い元気を増す
阿膠(あきょう) 甘平 内臓の出血や虚勞、女子の下血を主どり胎児を安んじ気を増す
牡丹皮(ぼたんぴ) 辛寒 中の熱を除き結滞を浄め消す働きがある
生姜(しょうきょう) 辛温 中を温め血を止め汗を出して風濕痺を除く
甘草(かんぞう) 甘平 五臓六腑の寒熱を主どり、緩和の効果あり
半夏(はんげ) 辛平 気を補い水を去る 肺気を補い血の回りが良くなる
麦門冬(ばくもんどう) 甘平 内臓の機能を傷つけた病や、熱を去り虚弱の者を補う

処方解説
元々の出典では、昔流産してその時、出損なった於血がつかえて去らないのが原因で
帯下の病になっているものを目標にしている
内熱のため血が乾き於血が緩んでいる筋や、血脈を引っ張るため下腹がひきつれる。
さらに於血が気血の行りを妨げ腹満が出る。
唇口の乾燥するのが一つの目標になるが、肝経は陰器を循り上に登って唇内を循る
故に於血が有れば肝経がその熱を受けて唇口が乾燥します。
よく内外を温め、於血による内熱を去り、滞りを除き、乾きを潤し気血を循す。
内熱は「芍薬」「人参」「牡丹皮」が冷まし、「人参」「呉茱萸」「麦門冬」「半夏」などが
乾きを潤し、循りを良くして温める。
古典の処方としては生薬の種類が多くハッキリ言って味が不味い
於血により内熱がこもっているが、血液循環が悪いため冷え性である。
この処方は、全身を温めながら栄養し、尚かつ、下腹のこもった於血を流し内熱を
冷ます働きで、温寒両方の生薬が絶妙のバランスで配合されている。
上記のような理由により、腹がつったり、腹が張ったり、手足が火照って唇が乾いたり
裂けてしまったり、於血のため月経不順だたり、生理がなかったり、逆に月経の量が
多すぎる者や、冷え性のため長く妊娠をしない者に良い。
この処方に配合される「麦門冬」は「去芯」することになっています。
サツマイモ状で真ん中に堅いスジが通っています。このスジが効能の邪魔をしますので
取り除かなければなりません。大変手間がかかりますが手を抜けない仕事です。
お買い求めの時は是非確認してください。

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